Beauty Topics

肌にもある「免疫」。
肌の底力をアップする
キレイの秘訣とは?

2020.06.18

年々 過酷になる気温変化や紫外線、花粉やちりなどの外的刺激。
これらの予防法として注目されるのが「肌の免疫力」です。
トラブルを未然に防ぎ、肌本来の美しくなろうとする力を発揮させる「肌免疫」について、
資生堂の細井純一研究員に聞きました。

  • “肌のガードマン”をキープして肌の免疫力をアップ

    肌の健康のためには重要だという「肌免疫」。具体的には?

    誰にも備わっている、免疫系と神経系を鍛えることができれば、肌の健康はおのずと叶います。まずは、花粉・ちり・ほこりといった微粒子汚れやアレルギー物質などの異物から肌を守る機能「肌免疫」の力を高めることが大切。免疫とは、目の前に現れた異物が安全か、危険かを一瞬で見分け、後者のみを攻撃する力です。肌でその免疫システムの司令塔として働くのが「ランゲルハンス細胞」と呼ばれる樹状細胞で、いわば"肌のガードマン"。異物を感知して捕獲、排除する機能と、異物による刺激反応を鎮静化する機能を持ちます。このランゲルハンス細胞の働きを強化し、その数を常に最適な数に保つことで、肌は健康な美しい状態でいられるのです。

    ランゲルハンス細胞の数が減ることによる影響は?

    ランゲルハンス細胞は、トラブルの要因となる刺激を鎮静化した後に力尽き、死んでしまいます。また、過度の紫外線や乾燥はもちろん、精神的なストレス、さらには栄養失調などによって減少。ガードマンの数が手薄になればトラブルを招きやすい状態に。生活習慣やスキンケアを見直して、常に最適な数のランゲルハンス細胞をキープし続けることが大切です。

感覚神経を鋭く保って肌ダメージに対処

「肌免疫」以外に、美肌づくりのカギとなるものは?

身体の内外で起きた刺激を脳に知らせ、脳からの指令を伝えて肌の再生などをコントロールする「感覚神経」も、美肌づくりのカギ。たとえば「つるつる」「ガサガサ」「熱い」「冷たい」「硬い」「柔らかい」などの情報は、肌センサーから「感覚神経」へと伝えられ、神経伝達物質を介して脳に届けられます。その感覚神経が鈍いと情報が正しく伝わらず、皮膚の細胞にダメージや炎症があっても「気づけない」=回復に向けての修復を始めない、あるいは過剰に反応してしまうということに。 健康な美しい肌に「感覚神経」の最適化が必要なのは、そのためです。

美肌づくりには「肌免疫」と「感覚神経」の両方が正しく働くことが不可欠

防御力を司る「肌免疫」と再生力を司る「感覚神経」は、全身に網目のように張り巡らされている情報ネットワークを通じて、心身と肌に影響を与え合っています。この相互作用がある2つを高めることで、健康的な状態が叶えられます。

肌免疫と感覚神経を鍛えることが、キレイの第一歩

「肌免疫」や「感覚神経」は鍛えられる?

鍛えられます。正確には鍛えるというか、加齢などで弱り、鈍ってしまった力を、元の状態に戻すイメージでしょうか。「鍛える」といっても筋肉をつけるようなことではなく、適切な応答ができるようにするということ。車のチューンナップに近いです。
ただし、どちらも高ければ高いほどよいというわけではありません。たとえば「感覚神経」が鋭くなりすぎると過剰反応により、炎症などが起きることも。免疫反応と同様に、バランスの良さが大事です。「肌免疫」「感覚神経」ともに、必要なときに必要な応答ができるレベルを保つことが重要だと考えられます。

美しい肌を目指すには、「肌免疫」の防御力と「感覚神経」の再生力を正しく引き出し、相互的に高めること。
ではシミやシワなど気になる肌トラブルは?

肌全体の底上げなので、トラブル全般を未然に防ぐことができるかもしれません。たとえば、がん治療においても昨今は薬によるがんへの直接攻撃ではなく、自分の免疫細胞でやっつける治療の研究が進んでいます。肌も、免疫細胞の利用でキレイになる可能性を追求して研究を進めています。もしかするとこの先、老化だって遅らせることができる日がくるかも。

起きてから対処するのではなく、予防する

対症療法ではなく、もっと根本のケアという点で、漢方における体質改善とアプローチが似ている部分があります。でも、それこそが食生活や生活リズム、毎日のスキンケアに気を配る意味、なのではないでしょうか。もっとご自身の身体の仕組み、肌の力を信じていいと思います。

もともとは誰にでも自ら健康で美しい肌状態をキープする力が備わっているもの。その場しのぎではなく、肌の底力を上げる根本ケアで、美しさを守り抜く力を育むことこそが重要です。

話を聞いたのは:
株式会社資生堂 グローバルイノベーションセンター・細井純一
東京大学医科学研究所で学位取得後、米国NIH環境健康科学研究所において3年間、がん抑制遺伝子の研究を、またハーバード大学のCBRCにおいて4年間、皮膚免疫の研究を行う。その後、資生堂で皮膚と心、全身との関係について研究を続けている。

●当記事は、資生堂の研究に基づいた情報です。また、個人によりその効果は異なります。ご自身の責任においてご利用ください。